工作工房製作奮闘記

何でもセルフで工作出来るように、古民家に工房を作っています。

中学3年で教わった3球式ラジオを再現

 中学3年生、技術家庭科で教わった真空管を3本使った古典式ラジオについてお話しましょう。

 実習で組み立てをしたのは、1969年。昭和44年です。この頃、大阪万博が始まろうとしている時に、終戦間もな頃に製造された古い真空管を3本使った再生式ラジオでした。

 その時でも古典ラジオと思われるラジオの方式で、トランジスタラジオが主流になっている時代に、古臭い物を教わるには納得がいきませんでしたが、教師曰く教科書どうりにしなくては、と言われ渋々教わったのが懐かしいです。

 年末のかたずけをしていたら、この教科書が出てきましたので、このブログに掲載することにしました。

 この3球式ラジオは、別名「並3ラジオ」と言われる物です。5年前に当時を懐かしんでバラックで組み立ててみました。 懐かしい音でラジオ放送が受信できます。

 

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 中学3年生、技術家庭科で教わった真空管を3本使った「並3ラジオ」を再現

 

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1969年、中学3年の技術家庭科の教科書 昭和36年発行

※仏壇下の物入れから出てきました。 懐かしい

 

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この教科書の100ページから、ラジオの組み立てが始まっています。

 

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ラジオに使う真空管は、この3本です。 何れも戦後間もない昭和20年代に製造されたST管と呼ばれる古典式の真空管です。

 

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こんちゃんが、再現製作したラジオの回路図。 別の製作集を参考に手持ち部品に合わせて回路をアレンジしている。

 

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再現したラジオの鳥瞰写真。 3本の真空管は、手前から6C6  6ZP1  12Fです。

今でも、箱入り新品が入手できる最もポピュラーな真空管である。

 

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アンテナコイルの写真。 並四コイルと呼ばれる物 箱入り新品が見つかりました。

 

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上が、再生調整用のバリコン。 下の角いのは、受信周波数の同調バリコン。

 

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入手が難しくなった、マグネチックスピーカー。 ボイスコイルは無く、コイルに中心に入った鉄片がコーンを振動させて音を出す。

 

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電源トランス。 この回路に合う物が無かったので、トランス製造業者に特注で製作してもらった。

 

※近くのNHKと、民放局が良好に聞こえます。マグネチックスピーカーで聴くと古の音で楽しむことが出来ます。

※中波帯を使ったラジオ放送は、もう100年も前に始まり、変調方式や周波数帯の変更も殆ど無しに今でも続いています。

※最近は、どの放送局もかってアナログTV放送だった周波数帯でFM変調の補完放送を行っており、そのうち中波帯のAM放送は姿(電波)を消すことになると思います。