工作工房製作奮闘記

何でもセルフで工作出来るように、古民家に工房を作っています。

戦前のラヂオ ロメオ号 昭和7年製造

 こんちゃんの昭和家電コレクションから、今回はレトロなラジオを紹介します。

 昭和7年ころに製造された戦前のラヂオ、ロメオ号です。製造者名は不明です。

ラジオ放送が始まったのは、大正14年ですが、最初の頃は鉱石ラジオか、蓄電池を電源とした電池式の真空管式ラジオでした。このロメオ号は、蓄電池から、家庭の商用電源に切り替わった頃のもので、電池式の真空管を無理やり使っているので、電源回路が複雑になっています。製造から90年近く経っていますが、今でも良好に受信出来ます

 

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戦前のラヂオ、ロメオ号 祖母の嫁入りタンスの傍らに置いています。

 

 

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外観は、セミコンソール型と呼ばれる物でスピーカーも内蔵されています。

横幅40cm 高さ70cm 奥行き35cm 質量17kg、どっしりして風格があります。

 

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背面です。 キャビネットは塗装されて綺麗。裏蓋は当時のまま、電源コードは取替えています。

 

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内部の様子 結構ごちごちゃしています。

 

 

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ラジオの回路部分 故障した部品や線を取り換えて何とか音が出るようにレストア中です。真空管は当時のままの物です。

 

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このラヂオに使われている真空管。 ナス管と呼ばれる物で電球の形に似ています。

ガラスの所々に光って見えるのは、ゲッターと言う物で管内の真空度を保つ役目をしています。4本とも良好に使える状態です。

 

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内部のスピーカー 可動鉄片を使ったマクネチックスピーカーです。

 

 

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同調ダイヤルのクローズアップ 初期のラジオのダイヤル目盛はこのように小さかった。 ROMEO のエンブレムが付いている。

 

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このラヂオの回路図  ※電源トランスまわりが複雑になっている。

右端上のL.S.と書いている所にスピーカーをつなげる。

 

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こんちゃん蔵書の技術本 ラヂオの日本 昭和7年1月号~6月号

このロメオ号が作られた同じ年代の本です。 大変参考になっています。

 

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本の中の広告ページ 日本で最初に放送を始めた「東京放送局JOAK

昭和7年に、聴取者100万を突破したと記載がある。放送開始から相当人気があったようだ。

 

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テレビジョンが一般に普及する昭和35年ころまでは、ラジオが唯一の情報収集・娯楽の手段だったようだ。 これを表す広告も見られる。

文字の書き順が右から左である。時代を感じます。

ラジオ放送は、大正14年に始まりましたが、96年経った今でも、変調方式や放送波帯は変わってなく、生活や防災の役に立っています。