工作工房製作奮闘記

何でもセルフで工作出来るように、古民家に工房を作っています。

オーディオマニア憧れの真空管2A3アンプ完成 !!

 今年1月から製作を手掛けてきた真空管ステレオアンプが完成しました。

 今回使用した真空管は、往年のオーディオマニアなら誰もが知っている憧れの2A3と言う直熱式の真空管で、1933年RCA社によって開発されたオーディオ用の真空管で、再生される音の良さから今でも人気のある真空管です。

 アンプの製作は、納めるケースや物品を固定するシャーシーの加工から始まり、部品の取付、配線作業と細かく忍耐の居る作業の連続でした。

 約2カ月の製作期間を経て完成したアンプにスピーカーやCDデッキを接続し電源を入れると10秒ほど時間が経って静かに音が出始め次第にきれいな音となってオーディオルームに鳴り響きました。

 

オーディオマニア憧れの真空管2A3を使ったステレオアンプが完成しました。中央の2本が2A3です。 この2本は、ソブテック製で比較的新しい真空管です。

 

 

◆製作工程をさかのぼってみます。

これは、2月初旬シャーシー加工が済んだ時の写真です。 これまで工程は、根気と努力の要る作業でした。

 

 

シャーシー上面に、電源トランスや出力トランス、真空管のソケットを取り付けます。

 

 

次に、シャーシー内部の部品を取り付けます。 大きなヒートシンクと綺麗な抵抗が目に付きます。 

 

 

地味だが楽しい配線作業に取り組みます。 まず、真空管のヒーター回路から配線し、真空管を挿して、灯が燈ることを確認します。

 

 

のべ15時間かけて配線作業が終わりました。 目やテスターで誤配線や配線忘れが無いかチェックします。 配線図は頭の中なので、謎解きの様に慎重に行います。

 

 

誤配線や配線忘れは無かったので、足の付いた裏蓋を閉めます。

 

真空管4本をソケットに差し込みます。 電源を入れる前に無負荷とならないよう、スピーカーやCDデッキとの配線を接続します。

 

 

セットアップが完了しました。 スピーカーはミニコンポの物でテストを行います。

祈るような気持ちで電源を投入します。 電源スイッチを入れるとヒーターが次第に赤くなり、スピーカーから静かに音が出始めました。 無事完成です。ホットする瞬間です。そして次第に感激へと移ります。 流れる音は爽やかで、2A3と言う真空管が持つ輪郭がくっきりした音です。 努力の甲斐あって憧れのアンプを完成させることができました。

 

 

真空管を1本、戦前に作られた物と入れ替えてみました。 問題なく、綺麗な音で力強く再生されました。 80年経っても動作することに感動です。頑丈かつ精巧に作られたことに驚きです。 今後、エージングを経て音に磨きをかけていきたいと思います。