工作工房製作奮闘記

何でもセルフで工作出来るように、古民家に工房を作っています。

マイクロ波帯でコンテストに参加

 日曜日の朝、マイクロ波帯にアクティブな山口県の局から新しい無線機のデモンストレーションをするので交信の相手をして欲しいとの電話があったので、コンテストを兼ねて快諾しました。

 自宅近くの丘に移動し、山口県の局とは、57kmの距離です。

5600MHzでは、直ぐに交信成立しましたが、10GHzの方は手こずります。雨が上がった直後なので、マイクロ波の電波が減衰を受けているようでした。1時間ほど時間をおいて空が明るくなって、相手の信号が次第に聞こえてきて、昼前に交信成立しました。

 ギャラリーの方が数名おられたようで、拍手や歓声がマイクを通して聞こえてきました。

山口県の高い山に移動した局から、マイクロ波帯での交信の依頼がありました。

アイコム社の新型の無線機「IC-905XG」を購入したとのこと。10GHzまでの髙い周波数に対応している超高級無線機です。※60万円ほどの高額無線機。

ギャラリーの方も同行されていて、責任重大である。

この経過図のスパン(57km)で交信実験開始です。

 

 

当局の移動地点から山口方向への様子です。 視界10kmほどでその先は、霞と雲の中の様です。

手前の畑は、菜の花が咲いて、黄色い絨毯の様です。春を感じます。

 

 

5600MHzと、10GHzの無線機を測量用の三脚に搭載します。 こちらは後方で操作を行う側です。

 

 

これは、全面の様子。 パラポラアンテナは、TDKのセンターフィードです。5600MHzは輻射器を自作して、取付。 10GHzはBSアンテナをそのまま使っています。

 

 

先ずは、5600MHzから開始します。 相手局を呼び出すと、直ぐに返事が来てあっさり交信成立です。 お互いにコンテストナンバーを交信しました。

ギャラリーの方の拍手や歓声がマイクを通して聞こえてきました。 3局と交信成立。

 

 

10GHzの方は手こずります。雨が上がった直後なので、霧や雲でマイクロ波の電波が減衰を受けているようでした。

この予備の無線機に変えてトライしますが、お互いに信号が取れません。

1時間ほど時間をおいて空が明るくなって、トライすると相手の信号が次第に聞こえてきて、昼前に交信成立しました。

 

 

最終的な運用形態です。 桜の木の下の土手沿いに無線機を並べて運用しました。
デモンストレーションのご相手が無事完了したので一安心です。 この後、松山市内等の局とも交信できました。 愛媛マラソンコンテストは、10日まであるので他のバンドでも交信を楽しみたいと思います。

無線通信用ミニタワー完成

 工作工房にて建設中だった無線通信用ミニタワーは、配管工事、接地工事、アンテナマストの取付作業を経て完成となりました。

 今回の工事は、埋設配管と接地配線のための掘削作業が大変でした。土が硬くてなかなか進まず、休みながら少しづつ作業を進めました。

 最後に鋼管のマストを取り付け、コントローラーでスムーズに回転することが出来た時は感無量でした。

 

先日、ミニタワー本体の建て込み作業が完了し、これからは同軸ケーブルを収容する配管工事などを進めます。 

 まずは、タワーの下部に同軸ケーブルを中継するための鉄のボックスを取り付けました。

 

 

無線室につながハンドホールとミニタワーの間に同軸ケーブルを収容するための配管工事を行います。 つるはしシャベルを使って掘削し、大小3つの配管を敷設します。 土が硬くて大変労力を費やしました。

 

 

無線室とつながるハンドホールに穴を空けて、3つの配管とアース線を貫通させてコンクリートで固めます。

 

 

次に、中継ボックスに配管を貫通させて、タワーの基礎部で金具を使って配管を固定させます。

 

 

続いて、被雷対策や感電防止のための接地工事を行います。 長さ4mの銅バーを土に埋め、接地線を連結します。

 

 

ミニタワー側も同様に電極を打ち込み、タワー本体も接地線に連結します。

 

 

配管や、接地線の上に掘削した土をかけて埋め戻しを行います。きれいに原形復旧できました。

 

 

中継ボックスに、ハンドルの付いた蓋を取り付けて仕上げをします。

 

 

タワーの中間部にアンテナマストを回転させるためのモーター(ローテーター)を取り付けます。

 

 

最後に、外径48mmのアンテナマストを取り付けて工事完了です。

秋空に、苦心の作のミニタワーが映えます。 感無量です( ^ω^)・・・

 今後は、アンテナを自作したり手持ち品を改良して、対流圏伝搬や人工衛星、月面反射などのロマンに満ちた無線通信を楽しみたいと思います。

雨の日、トトロの森?で無線通信を楽しむ

 三連休の10月8日(日曜日)、アマチュア無線の全市全郡コンテストにエントリーし、恒例となったトトロの森?でマイク波とVHFの周波数帯で無線通信を楽しみました。

 8日の日曜日はあいにくの雨でしたが、マイクロ波の無線機類に傘をさしかけて無事運用することができました。 傘をさしてネコバスを待つ停留所でトトロと主人公が立っている場面を思い出しました。葉に溜まった雨水が時折パラパラと落ちてきました。

 先日、工房でSWRの調整をした50MHzのアンテナは快調に動作して移動運用の面白さを満喫しました。

 

8日の日曜日はあいにくの雨でしたが、マイクロ波の無線機類に傘をさしかけて運用します。

 

 

パラポラアンテナの位置から、広島県山口県方向を見た様子です。雨なので遠くは霞んで見えません、眼下には松山城や県庁舎、オフィスビル群などが見えます。

 

 

運用場所は、坂本日吉神社の境内にある広葉樹林の空間で秘密基地のような所です。

 

 

開けた空間に、5GHzと10GHzのパラポラアンテナと無線機類を三脚で固定します。時おり葉に溜まった雨水が時折パラパラと落ちて来るので、雨傘をさしかけました。

 

 

これは、5GHzのセットです。 アンテナはCS放送のアンテナで口径50cmです。自作した金属の筐体にトランスバーターと出力2Wのリニアアンプを内蔵しています。親機は1200MHzのハンディー機を用いました。 眼下の松山市近郊の局や対岸の山口県の局と交信できました。

 

 

これは、10GHzのセットです。アンテナはBS放送のアンテナで口径35cmです。 某放送局で使用していたジャンクの中継器箱にトランスバーターと出力2Wのリニアアンプを内蔵しています。親機は430MHzのハンディー機を用いました。10GHzでは降雨減衰があるものの近場の局とは交信できます。

 

 

木々の空いた所に、50MHzのアンテナを立てました。ビーチパラソルの支柱を使い高さ3mくらいです。

 

 

この50MHzのアンテナは、水平面が無指向性の小型アンテナで、半世紀前にニューカマーに人気だった「ヘイローアンテナ」です。一辺が70cmの場所を取らない便利なアンテナです。 長年工房の倉庫で眠っていたのをレストアして久々の使用です。

 

 

50MHzは、FT-817を使用します。 新スプリアス規格の認定をしてもらいシールを貼り付けています。 レストアしたヘイローアンテナは快調に動作して4、5、6エリアの局と交信できました。 雨天での運用でしたが成果も出て楽しい時を過ごしました。

ミニタワーの建設再開

 工房の見通しの良い庭に建設中のミニタワー、夏の農作業も一段落したので作業に着手しました。

 今年の春に基礎部を工事していたので、タワーの上段を組み上げることにします。重量が40kgを超えるため、3つに分解して順番に吊り上げてボルトで接続しながら組み上げました。土と接する部分は錆て腐りやすいのでコンクリート打ちをして組み上げ作業完了です。

 高さは、3.6mほどの低い物ですが、自作したアンテナの実証実験や人工衛星や月面反射通信などの通信実験は充分可能です。

 

工房の別宅シャックにミニタワーを建設中です。 今年の春に基礎部の施工をしてしばらく放置していましたが、夏の農作業も一段落したので、上部のタワーを組み上げることにします。

 

 

春に改修作業をして軒下に保管していたミニタワーの上部鉄塔部材です。 部材が多く、重量が40kg超の重さになりました。

 

 

高所に吊り上げるには、レッカー車が必要ですが、車両が入れない所なので、分割して人力で吊り上げます。 写真はA脚、B脚、C脚と3つに分割した様子です。

 

 

ミニタワーの上部材を吊り上げるため、滑車の付いた台棒を基礎部に固定します。ロープで吊り上げます。

 

 

先ず、A脚から吊り上げて、基礎部とボルトナットで接合します。

 

 

続いて、B脚を吊り上げて、基礎部とボルトナットで接合します。

 

最後にC脚を吊り上げて、基礎部とボルトナットで接合した後、脚同士の部材をボルト・ナットで仮固定して1日目の作業完了です。

 

 

作業2日目、補強部材を追加してタワー全体のボルト・ナットを増締めして組み上げ完了です。

 

 

このタワーは購入してから33年も経過しているので、汚れや錆が目立ちます。 ワイヤブラシやサンドペーパーで汚れを落とし、補修塗料を塗ります。 なかなか根気のいる作業でした。

 

 

基礎部の土と接触する部分は、錆びて腐食しやすいので、コンクリート打ちをします。コンパネで型枠をしました。

 

 

コンクリートは、手練りします。 砂、砂利、粉末コンクート、水を混ぜ合わせます。

 

 

型枠の中にコンクートを入れて、こてで押さえをします。 タワーらしくなりました。

2400MHzトランスバーターの点検と現役復帰

 今から約32年前に、入手した2400MHzトランスバーターは、20年ほど前から現役から外れていましたが、今回点検をして、正常性があるとこが判明したので、戦力として復帰させることにしました。

 

1991年4月に、JARL愛媛県支部の製作講習会で入手したこの2400MHzトランスバーターは、20mの鉄塔上に設置したアンテナ直下のボックスの中で稼働させて、10年間ほど3エリア、4エリア、5エリア、6エリアのたくさんの局と交信して活躍しました。

その後、アンテナシステムの更改で現場を離れて20年間、段ボールの中で休眠をしていました。 今回、このトランスバーターを点検してみることにしました。

 

 

トランスバーターの中身は、長年屋外のボックスの中にいたにも関わらず、錆や損傷も無く綺麗な状態でした。恐る恐る電源を入りてみましたが、異常は無いようです。

 

 

このトランスバーターのIF(入力)周波数は、430MHz帯なので、ハンディー機の周波数を437.000MHzにしてトランスバーターに入力します。 出力は、50mw設定。

 

 

トランスバーターの出力に、30dBと20dBのアッテネーターを縦続接続して週数カウンターに入れて、送信周波数を測定してみます。

 

 

ハンディー機を恐る恐るプレスすると、キャリコンが働きトランスバーターが送信状態となり、カウンターの表示は、2427.003MHzを表示しました。 誤差3KHzですが、許容偏差内で問題は無く、正常な動作を確認できました。 経年32年ですが、現役に復帰させることにしました。

 

 

現役で使えるように、三脚の基台に取り付ける準備をします。 トランスバーターの片面に金具を加工して取付金具とします。

 

 

5600MHzのトランスバーターと同居して、2台横並びで基台に設置しました。見た目は窮屈そうですが、機動性は抜群です。

 

 

木製の基台の片隅に、2400MHzのアンテナを取り付けるマストの挿入部(30mmのアルミパイプ)をサドルで取付ました。

 

 

2400MHzのアンテナは、13エレのループアンテナです。

この三脚に取り付けたシステムで、4台のハンディー機を使って144MHz~5600MHzの5つのバンドが運用出来ます。コンテストの時など機動性を発揮します。電信に出る時は、FT-817等を使います。

 

 

今回、蓄電池の12Vから無線機類が正常に動作させるようにと13.8Vに昇圧するDC-DCコンバーターを新調しました。小型ですが、3時間使っても、全く発熱せず、触っても冷たいままでした。 

モールス通信用エレキー 自作品3例

 無線通信において、一世紀も前からモールス通信は、なくてはらないものです。

アマチュア無線を開局にあたってモールス通信するために、縦ぶりの電鍵で練習しましたが、運動神経が悪い上に、音痴ときては、正確な符号は打てません、そんな時、中学時代の恩師からエレキーと言うものがあるよと聞かされました。

早速、そのエレキーなるものを自作して、開局にこぎつけました。1971年開局、もう50年超になります。当局が自作して現存する3台を今回ご紹介致します。

 

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サーキットハウスのN9BQtypeのキットを使った、C-MOS ICで構成されたエレキーです。1997年に製作。 回路を一部改造して真空管式の送信機にも使えるようにしています。のこぎり歯を使ったパドルを内蔵しています。

 

 

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パドル部分の拡大写真 左右に取り付けたボルトから、ドットとスペースの接点を出力する。 円盤は圧電ブザーで符号のモニター用 電源は、9Vの積層電池です。

 

 

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1970年に開局準備中に製作した回路を2016年に復刻版として製作した真空管式のエレキです。 小さなケースの中にGHDのミニパドルを内蔵しています。外部パドルも並行して使えるように配慮している。 20文字/分から120文字/分まで任意に変速可能。

※小さなケースに時計のように精密に部品を入れて組み立てた力作です。

 

 

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背面の様子、使用真空管は、MT管で、12AU7と6AV6の2本、モールス符号の出力は、LANケーブルで接続、電源は、AC100Vです。消費電力は、3W程度

 

 

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ケースを取り付けた状態  FT-817より小型です。 ケースは鉄製。

 

 

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エレキーが日本で最初に公開されたのは、1940年10月戦前のハムJ3GC局でした。

この時に使用されたであろう真空管を使った古典式の真空管式エレキーです。

使用真空管は、ST管でKX-12F 1本、UY-76 3本です。

ケースは、当時に合わせて木製です。 2020年に製作したお気に入り品です。

 

 

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真空管式エレキーの内部、意外に簡単な回路です。高速リレーを使って、120字/分まで正確に符号を出力出来ます。 

 

 

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背面から見たエレキー。 符号出力は2回路あり、LANケーブルで接続する。

パドルは、外部のみ。

 

 

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レトロ調のエレキーをシャックにビルトインした様子。GHDのパドルを使っています。

※このエレキーについては、CQ誌2020年5月号P158~161に掲載されています。

 

 

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これらのエレキーを使って交信した局の中で、特に嬉しかった局のQSLカードです。

この、SM6CVX局とは、夏の50MHzで交信しました。 559/559で交信成立。4カ月後にビューロー経由でカードが届き転送の速さにびっくりです。

 

 

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CQ誌に毎月モールス通信の記事を掲載されているYLさんのQSLカード

移動運用やコンテストで何度か交信頂いています。

 

古民家 屋根の上に無線のアンテナ設置

私にとって、田舎の良いことは、人工的な雑音が無いため無線通信に適していることも挙げられます。 昨年秋に古民家の屋根の上に大きな無線通信用のアンテナを設置したので、ここで概略をまとめました。

手軽に設置可能な「ルーフタワー」方式で工事をしました。 手順は次のとおり

・40年前に使っていたルーフタワーを清掃・ネジの交換・塗装

・マストベアリング、アンテナを回転させるローテーターの整備

・屋根の梁の部分に支線を支える金具の取付 4方向各2個づつ

・瓦保護の枕木を敷き、ルーフタワーを仮置き

・被服鉄線でタワーを仮固定、ローテーター、ベアリングを取り付け

・単管パイプをマストとして、垂直となるようタワーの位置を調整

・14Sqの被覆メッセンジャーワイヤーを4方向2本づつ取付、張力調整

・アンテナの取付、同軸ケーブル配線をして完成

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古民家の屋根の上にアンテナを取り付け 占有面積30平方メートル 巨大です

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40前まで使っていたルーフタワーを整備 錆を落とし塗装する

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マストベアリング、ローテーターの整備 ステンレスボルトに交換

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ローテーターへ、コントローラ用ケーブル配線

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屋根の梁に支線取付金具を取り付け 4方向各2こづつ

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瓦の上に枕木を置いて、ルーフタワーを仮置き

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枕木を横方向から見る 240kgの加重に耐えられる

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ルーフタワーを被服鉄線4本で仮固定する

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タワーにマストを刺して垂直となるよう慎重に調整

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被覆メッセンジャーワイヤーでタワーを頑丈に固定

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これでタワーの設置は完了、あとはアンテナ取付のみ

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アンテナを取り付け 一番大きいのはアメリカ、モズレー社のTA-33

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同軸ケーブル等の配線 日焼けしないようスパイラルスリーブを巻き付け

 世界中の無線家達と思う存分、無線通信を楽しみたいと思います。 

 ※最後までマイナーな記事をお読み頂き、ありがとうございます。